科目合格制とは?
税理士試験では、「科目合格制」が採用されています。
これは、試験上いくつかある科目のうち、規定の数科目に合格すれば試験に合格するという制度です。
税理士試験で「科目」として扱われているものは全部で11科目、そしてその中の5科目に合格すれば晴れて税理士試験合格となります。
この5科目を一度に合格する必要はなく、合格まで何年かけても大丈夫です。一度合格した科目には有効期限などもなく、一生合格として扱われます。
税理士試験で受験可能な科目は以下の通りです。(全11科目)
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・簿記論(必修)
・財務諸表論(必修)
・所得税法(選択必修)
・法人税法(選択必修)
・相続税法(選択)
・消費税法(選択)
・酒税法(選択)
・国税徴収法(選択)
・住民税(選択)
・事業税(選択)
・固定資産税(選択)
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ここで、トップページでも述べた合格率の話になりますが、「合格率10%程度」というのは実はこれらの科目ごとの合格率を表しています。税理士試験自体の合格率ではないのです。
参考として、各科目のここ数年間の合格率を挙げると、
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簿記論・・・・・・・・・約10〜15%
財務諸表論・・・・・約15〜19%
所得税法・・・・・・・約12〜14%
法人税法・・・・・・・約11〜12%
相続税法・・・・・・・約10〜13%
消費税法・・・・・・・約10〜11%
酒税法・・・・・・・・・約11%
国税徴収法・・・・・約9〜10%
住民税・・・・・・・・・約9〜15%
事業税・・・・・・・・・約12〜14%
固定資産税・・・・・約10〜13%
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となっています。
じゃあ税理士試験自体の合格率はどうなってるの、という話ですが、もし試験自体の合格率を出したとしてもほとんど意味はないでしょう。
なぜなら、受験者の中には初受験でまだ1科目も合格していない人もいれば、既に4科目合格していてあと1つで合格、という人も含まれるからです。要するに受験者の状況によって合格率が全く変わってしまうので、平均値を出したところで意味がないのです。
ただ、初受験者が5科目全てに受かり税理士試験に合格する確率はほぼ0%だという事実だけは知っておいたほうが良いでしょう。ここ十数年間、5科目一発合格者は1人も出ていません。
これは、各科目の範囲と深度がかなり大きく、1年間の勉強では5科目全ての内容をゼロから全て学習することが不可能に近いからです。
次のトピックでは、なるべく短期で合格するにはどうすればいいのか、税理士試験の特性をふまえて考えてみます。
⇒税理士試験の特性